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単発その11 ◆◆

《浄法寺高校相撲部 IN ハワイ!》



ハワイの相撲と言えば、古くは関脇・高見山、最近では大関・小錦、横綱・曙、横綱・武蔵丸などの実力者を輩出した土地柄もあり市民の間でも知名度の高いスポーツな訳ですな。大相撲の本場所は生中継で放映されてるほどの人気ぶりです。そんな中、岩手県の相撲大会でチャンピオンになった岩手県立浄法寺高校相撲部の面々がハワイへやって来る、って情報をキャッチしました。で、ハワイで何すんの?と言うとですね、地元の高校を訪問し、相撲のデモンストレーションをしたり生徒さん同士の交流をするんだそうです。

こりゃ、単発コーナーにピッタシのネタでございますな。んな訳で、相撲部の皆さんに同行させていただき生徒交流の模様を取材させて頂きましたです。

(カッコ内ピンクの発言は編集部の脚注です。)


  こちらが今回の交流先のカフク高校です。カフクといえば、オアフ島のほぼ北端、エビの養殖やスイカの産地としても有名です。
また、カフク高校のアメリカン・フットボール部は、昨年のハワイ州高校チャンピオンになりました。
     
  お出迎え頂いたのは、カフク高校のジャックス先生です。ジャックス先生は、カフク高校で相撲部、アメリカン・フットボール部、レスリング部の顧問をされているそうです。ジャックス先生は、日本の相撲部屋を訪問し、稽古に参加したこともある実力者。日本語もかなりお出来になられるんですな、これが。お話しによれば、アメリカの高校で相撲部があるのはカフク高校だけなんだそうです。
     
  ジャックス先生のご挨拶を真剣な面持ちで聞く相撲部の面々。。。さすがに相撲部、皆さん礼儀正しい純朴な青年たちです。
(さすがに相撲部、皆さん立派な身体してまんな。)
     
  ジャックス先生は、カフク高校校門脇に立つ銅像の説明をしてくれはりました。『カフク高校にはハワイ人、サモア人、トンガ人、日本人、白人などなど、いろんな人種の生徒たちがいます。この銅像の顔は、色んな人種の子供たちをミックスした顔になってるんですよ』

で、どんな顔かと言うと。。。↓
     
  こんな顔です。
(うーむ。。。)
     
  カフク高校の副校長も挨拶に出て、日本からはるばるやってきた相撲部の面々を歓迎してくれてます。
     
  副校長の挨拶が終わると、いよいよ交流会が始まります。まずは、ジャックス先生と浄法寺高校相撲部監督の小田島先生が固い握手。

と言う訳で、突然ですが、↓↓小田島先生と姉帯(あねたい)コーチのご紹介です。
     
  こちらが小田島先生です。ご自身も高校、大学と相撲部で活躍されたベテランです。大相撲で大人気のロボコップ、高見盛もよく知ってはるんだそうです。
(高見盛のネタばらし、なんかありませんの?)
『精彦(高見盛の本名)がまだ高校生だった時に初めてトイレで会ったんですが、そん時に呼び止めて、オイ精彦、お前どこの大学行くんだ?って聞いたら初対面の僕に、ハッ、自分は日大へ行くでありますっ!がんばりますっ!と答えてくれましたよ。初対面なのにねぇ。』 (by 小田島監督)
     
  で、こちらが浄法寺高校相撲部コーチの姉帯さん。岩手の高橋英樹と言われてはるそうです。(うーむ。。。)

相撲部の監督、コーチと言えば 「竹刀片手にバシバシと!」、って勝手にイメージしておりましたが、そんな感じは微塵も感じられません。笑えないオヤジギャグとか連発です。部員さんたちも監督、コーチのギャグにどう対応すればいいのか、苦労してはる様子がありありと。。。

『竹刀片手に、なんてかなり前の話しじゃないんですか?』 (by 小田島監督)
     
  続いて部員さんたちもカフク高校日本語クラブの生徒さんから歓迎のレイをかけてもらいます。写真には写っていませんが、実はカフク高校の生徒さんたちは、親愛の証しである 『ハグ』 をしてくれたんですな。ロコGALの突然のハグハグ攻撃に相撲部の面々は固まっていたのでした。。。

ハグハグ攻撃でちょっとウキウキな部員たちの地獄はこれから始まるのであった!
     
  と、そんな訳で、日本語クラブ員に拉致されるように連れて行かれた場所とは。。。そう、日本語クラブの生徒さんが受けてる授業の教室に連れて行かれてしまったのでした。それも、相撲部員は全員バラバラにされて、いきなり地元高校の授業を受けることに。それも2時間。これ、キツイっすよね。英語で授業を受ける相撲部員さんたち、大きな体がちっちゃくなってます。

『こんな話し聞いてないっすよ。授業中は何回 I DON’T KNOW!と言ったことか。。。』 (by 相撲部員Aくん)
『いや、カフク高校でのプログラムは全てジャックス先生にお任せしてますんで(あっさり)』 (by 小田島監督)
     
  相撲部員さんたちは日本語クラブの生徒さんにお預けして、その間に監督、コーチと編集長のあんたんこはジャックス先生の案内でカフク高校を見学して回ります。で、ここは選択科目である『日本語』の授業風景です。日本から来た客人に生徒さんたちが1人ずつ立ち上がり、『カフクコーコーニ ヨーコソ。ワタシノ ナマエハ ケイコ ト モーシマス。ドーゾ ヨロシク オネガイ シマス!』って具合で自己紹介をしてくれます。しかし、みなさん、ケイコだとかアケミだとかケンイチだとか、日本の名前を勝手につけてます。

『日本語の授業中だけ日本の名前を付けて呼ぶようにしてるんです』 (by 日本語のマークス先生)

ほほぉ、なるほど。その方が日本になじみが出る、ってことなんでしょーな。
     
  地獄の授業を終え、部員さんたちは日本語クラブの生徒さんに連れられてカフェテリアへとやって来ました。ここで、ランチが振舞われます。カフク高校の生徒さんたちと同じメニューのスクール・ランチを部員さんたちも体験します。今日のメニューはチリ・ライスにサラダ、ディナーロール(パン)です。

ランチが終わると、いよいよ講堂に生徒さんたちを集めて相撲デモンストレーションが始まります!
     
  まず、カフク高校の生徒代表のジェレミー君から、プレゼントが手渡されます。プレゼントされたのは去年ハワイ制覇を成し遂げたカフク高校アメリカン・フットボール・チーム、『RED RAIDERS』 のオフィシャルTシャツです。

ちなみに、このジェレミー君は高校アメフト界のスーパースターです。去年の高校アメフトのMVPにも選ばれておりますです。米本土の大学から、何校もスカウトが来てるんだそうです。
     
  お返しに、浄法寺高校からジェレミー君に 『まわし』 がプレゼントされます。ジェレミー君、実はカフク高校の相撲部員でもあるそーです。
     
  さてと、プレゼント交換も終わり、いよいよデモンストレーションが始まります。まずは 『しこ』 を披露します。部員さんたちがしこを踏んでる間、ジャックス先生が英語でカフク高校の生徒さんたちに説明します。
     
  これは 『股わり』。部員さんたちのアクロバティックな動きにカフク高校の生徒さんたちから感嘆の声が。。。(こ、これは。。。カフク高校の生徒さんにとっては、ある意味センセーショナルな光景ですな)

こういった基本的な練習のほか、押し出し、突っ張り、吊り出し、うっちゃり、上手投げ、上手ひねり、内無双などなどのワザを披露し、ジャックス先生が英語で解説します。
     
  そして部員さん同士によるガチンコ勝負です。集まったカフク高校の生徒さんたちも大興奮です。さすが、ハワイの学生さん、ノリがメチャクチャいいです。『GO YUKI!』 とか 『GO FUMI!』 とかさっきまで一緒に勉強してた部員さんたちの名前を大声で叫びまくります。
     
  で、無事にデモンストレーションを終えた部員さんたち、スーパースターのジェレミー君を囲んで記念撮影です。ジェレミー君の隣りにいる白いTシャツの生徒さんもフットボールのスーパースター、クイントン君。彼も本土の大学から5、6校スカウトが来ているそーです。相撲部にも所属してます。

(ちなみに最前列真ん中にいるのは記念撮影に乱入してきた日本語の先生。。。)
<2004年 01月 更新>

【編集長、あんたんこから】
やっぱり高校生同士の交流って言うのは素晴らしいものがありますです。このコーナーの2回目でレポートした高校野球交流も素晴らしかったですが、高校相撲交流も素晴らしいです。部員さんたちは突然、英語で授業を受けさせられたり大変だったと思いますがこの経験は何ものにも替えがたい貴重な体験だったと思いますよ。カフク高校の生徒さんたちも、この相撲デモンストレーションをすっごく楽しみにしていたそーです。よかった、よかった。
【編集部Mから】
編集長って、スポーツとか交流とか高校生とか言うキーワードに弱いようです。

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